人工歯根と上部構造(義歯)を繋ぐ

人工歯根と上部構造(義歯)を繋ぐ金具をアバットメントと呼びます。インプラントは、一種類だけではなく、部品の接続形態によって複数のタイプがあり、用途に合わせて使い分けられています。アバットメントが人工歯根から分かれておらず、一体化しているものが1ピースタイプです。他に、これらが別パーツになっている2ピースタイプがあり、こちらの方がメジャーです。2ピースタイプは人工歯根とアバットメントをネジのように接続するもので、そのコネクション部分の形状により、凸面(エクスターナル)タイプと、凹面(インターナル)タイプという二つの形式に分かれます。この内、インターナルの方がアバットメントの接続が容易と言われています。手術によってインプラントを埋め込んだ後は傷が落ち着くまで、できるだけ安静に生活を送って下さい。日常生活では力をかけないように努め、負荷がかかる身体運動は避けた方が良いです。傷口に負担がかかり、ふさがりにくくなる場合もあるのです。運動を毎日のように行っている方は、どうなったら再開できるか、歯科医と確認しておけばベターです。この治療のメインとなるインプラント埋入手術では、持ちろん部分麻酔が使われますが、全身麻酔になることはほとんどありないのです。糖尿病や心疾患などの既往症があるケースでは入院設備が整ったところで手術する必要もあります。また、インプラントを支えるだけの強度を持った骨がない場合は、厚みを増すための治療が必要で、骨移植も考えられます。自分の腸骨などを削って、移植する手術だと、入院することや、複数の病院で手術することもありますね。これらのケース、その他の困難なケースであれば治療は主治医とよく話し合い、計画的に進めていって下さい。インプラントはメリットの大きい治療法です。けれども、それと裏腹のデメリットもあります。第一に、費用は他の歯科治療より高額です。治療の内容や、インプラントの材質によっては数十万円かかることも覚悟して下さい。加えて、治療が失敗して障害が残るような健康被害も起こりうるというのも、デメリットの一つです。ごくまれなことですが、治療が原因で死亡することも過去にはありました。もし、インプラント治療前に歯科や口腔外科のの既往症があったらあごの骨に病気や障害がないかどうか確認して下さい。これまでに歯周病とか顎関節症(歯を食いしばる、歯軋りをする、ストレスが溜まっている、左右均等に噛んでいない、体の使いグセによる体の歪み、噛みあわせ、外傷などが原因だといわれています)の経験があったら、治療以前にその治療を優先し、完治してからインプラント埋入に取りかかる問題が生じます。それから、美容整形や外傷といった、あごの骨に手を加えた経験がある方も治療にすごくの危険が伴います。ただし、これらの既往症があってもインプラント治療ができないワケではないためまずは歯科医に全て話しておきましょう。最近メジャーになってきたインプラントですが、手術をうけるにあたって、多くの方が心配されるのが、術後の腫れではないでしょうか。この点は、歯科医の技量や、日頃の口内ケアの状態、体調の悪化などにも影響されるので、必ずこうだと言い切れるものではなく、人と状況によりけりなのです。歯科で出してもらった痛み止めを飲んで、腫れた部位を冷やすなどしても、なお痛みが引かない場合や、痛みが強すぎる場合などは、担当の歯科医にすぐに相談しましょう。喫煙が、インプラント治療の成否に及ぼす影響は決して看過できるものではありないのです。インプラント治療には数ヶ月、あるいはそれ以上かかる覚悟をしなければなりないのですが、人工歯根を埋入した後の、周辺組織の速やかな回復が治療成功の絶対条件となります。組織の形成には、タバコのニコチン、一酸化炭素などが例外なく阻害するはたらきをします。インプラント治療のために何でもできると思うなら、思い切って、治療が終わるまでの間はつらくても禁煙するのが正解です。インプラントの手術してからしばらくの間、自分の歯がうずく反応もよくあります。手術で人工歯根が入ったり、術後に腫れたりして周囲の歯の神経が刺激され、反応が出たものでインプラントがなじんでくるのと同時に、落ち着いてくることが圧倒的に多いです。しかし、他の原因から生じることもあるので、異変を感じた場合は歯科医の判断を仰ぐことに努めましょう。インプラント治療の大きな問題は、高額な負担を覚悟しなくてはならないことでしょう。保険適用外のケースが圧倒的多数で、全て自由診療になることが当たり前ですから失った歯が何本なのか、義歯などの素材は何かによっても一概に費用を決められないのですし、自由診療なので、歯科医院ごとに思いの外費用は違ってきます。治療が無事終わっても、メンテナンスをうけなければならないと言う事も覚えておきましょう。インプラントが世の中に定着した技術となった本日では、インプラントの専門医も登場し、失敗例は少なくなりましたが、それでも完全にゼロにはならないのが残念なところです。酷い場合にはインプラントが固定されず抜けてしまったり、食べ物を噛む際に義歯がグラつくといった不具合が起こる可能性もあるのです。これは担当歯科医の技量の低さが要因となっています。技術が高く、インプラント手術に慣れている歯科医を選ぶことが大事だといえるでしょう。